2011年9月7日水曜日

MMTTYは日本が誇る世界のソフト

2日間も恋愛話になってしまたので、また無線の話に戻します。

私が大好きなモード(RTTY)を運用するために必要なソフトが「MMTTY」というソフトです。
これは、森さんという日本人が開発したもので、今では世界中で愛用されている優れもののソフトで、しかもフリーウエア(無料ソフト)です。
それについて、少し解説します。

"MMTTY"はJE3HHT森さんが開発されたパソコンのサウンド機能を応用したRTTYモード用のフリーソフトです。
"フリー"といってもそのプリント性能と操作性は抜群で、JA(日本)発の優れた
RTTYソフト"という評判が世界中を駆けめぐり、実際にそれを使って運用している海外局が爆発的に増えてきました。 さて、RTTYモード(本当は凄く歴史のあるモードなんです)のハードルが他のモードと比べ高く感じられ原因は次の4点にあると思われます。

 1.RTTY専用の高価な装置が必要(メカニカルマシンを駆使していた時代もありました)。
 2.同調操作が非常に困難でまともにプリントできない。
 3.リアルタイムにキーボードへ文字を入力して会話をしなければならない。
 4.ソフトも装置も海外製で、実際のところマニュアルも理解できないし、使いこなせない。

等々、いずれも”慣れと努力”で克服できるのですが、そう思いこんでしまうと、いつまでたっても特異なモードで終わってしまいます。MMTTYは上に上げた問題を解決してくれるFBなソフトで、日々進化しつつあります。私も実際に使ってみて、そのプリント能力の高さには驚いています。
実際に市販のソフトや、装置と比較しても満足のいく結果が得られておりますので、これを機会にMMTTYの入手からインストールと設定、そして実際の運用や操作方法を学んでみましょう。


MMTTYの初期設定

まず、MMTTYの初期設定を行ないます。
デジタルモード(RTTY, PSK31, etc)を使わずに、電話・電信(SSB/CW)でコンテストに参加する時はこの設定は省略できますので、次節に進んで下さい。

ここでは、サウンドカードインターフェイスの接続、MMTTYの使用方法等は理解されていることを前提としています。MMTTYの使い方は、JA1WSK勝見さんの「5. Let's start RTTY with MMTTY」、日本語版「MMTTYでRTTYを始めてみよう(入門編)」が参考になります。

シリアルポートを2つ使い、PTT操作とラジオコントロールの設定をする例を以下に示します。また、AFSKとFSKの2つのモードがありますが、RTTY信号としてクリーンな信号を安心して発生できるFSKモードを用いる例を示します。

    MMTTYの画面設定(XYScopeの表示)
    RTCLを起動すると下図に示すMMTTYの画面が開きます。「表示」、「XYScope」を選択して、XYScopeを表示します。

    MMTTY画面
    次に「表示」、「XYScopeのサイズ」から「Big」を選択します。

    MMTTY画面
    XYScopeのBig画面が表示されます。左側上段がFFT、その下がWater Fall、右側がXYScope(Big)です。

    MMTTY画面
    PTTの設定確認
    MMTTYのメニューバーの「オプション」->「設定画面...」から「設定画面」を開きます。

    MMTTY画面
    「送信」タブを押して、PTT Portの設定を確認します。

    また、FSKで運用する場合は「TxBPF」や「TxLPF」は無関係ですので、動作速度上厳しいCPUの場合にはこれらをOFFにしておきます。MMTTYに付属するMMTTY.TXT(MMTTYソフトウエアマニュアル)にはCPUへの負担を軽減する方法が載っていますのでご参照下さい。
    「TX UOS」については「9.1 RTTY信号の文字化けについて」を参照して下さい。


    MMTTY設定画面(Radio command)
    XYScopeのXY逆転の設定確認
    MMTTYの設定画面から「フォント/表示」タブを押して、XYScopeのXY逆転にチェックが入っていることを確認します。XYスコープの表示がトランシーバーのVFOツマミの回転と方向が一致して使いやすくなります。

    MMTTY設定画面(フォント/表示)
    送信ポートの設定確認
    MMTTYの設定画面から「その他」タブを押して、送信ポートを確認します。FSKモードの場合は「サウンド+COM-TxD(FSK)」または「COM-TxD(FSK)」のいずれかを選びます。

    下の画面では「COM-TxD(FSK)」を選択し、送信時のモニターはトランシーバーのモニター機能を用いています。
    なお、「サウンド」はパソコンのサウンド出力から信号を出力しますので、
       「サウンド」:AFSKモード
       「サウンド+COM-TxD(FSK)」:FSKモードとパソコンのサウンド出力からの送信時モニターの時に使用します。

    MMTTY設定画面(その他)
    コントロールパネルのDemodulatorの設定確認
    MMTTYのコントロールパネルのDemodulatorには、9つのボタンが並んでいます。FSKモードで運用する場合には、「SQ」、「BPF」の2つのボタンを押しておきます。

    SQ:スケルチの動作をONにします。無信号時や雑音で余計な文字がプリントされないようになります。SQボタンの下にある小窓のカーソル(縦線)の横をマウスポインタで左クリックするとカーソルが移動し、スケルチのレベルを調整できます。
    MMTTYの画面が小窓表示の場合には、スケルチの調整が出来ませんので、コントロール用のボタン付き表示に切り換えて調整してください。
    BPF:デモジュレータの前段に入るBPF(バンドパスフィルタ)をONにします。

    MMTTY画面
    その他のボタンの説明
    Type:Demodulatorの方式をIIR、FIR,PLLの3種類から選択できます。デフォルトはIIR型です。
    Rev:リバース信号(マークとスペース信号が反転してしまったRTTY信号)を受信する際にこのボタンをクリックします。
    HAM:Demodulator画面の左端にあるMark、Shift等の値をデフォルトに戻します。
    Not.:マークとスペース周波数の中心にノッチフィルターをONにすることができます。
    ATC:Automatic Threshold Corrector の略です。受信した信号の状態に応じたスレショルドレベルを自動的に決めてくれます。
    NET:AFSKモードで運用しているとき、NETをONにしていると受信時にプリントしたトーン周波数と送信時のトーン周波数が一致するように動作します。
    AFC:AFSKモードで運用しているとき、Automatic Frequency Control の動作をON/OFFします。
    (注記:Runningの時には(CQを出している時には)、NETおよびAFCはOFFにしておくのがよいと思います。

NETおよびAFCがONになっていると、相手局の周波数に自局の周波数が一致しますので、Runningしている周波数が変わってしまう可能性があります。相手局が周波数をずらして呼んできた時には、トランシーバーのRITをONにして対応します。)

    UOS:Unshift On Spaceの略です。RTTY信号にスペースが入った後は強制的にLTR(文字)として解読します。
    コンテストのQSOではLTR(文字)よりFIG(数字や記号)をやり取りする確率が高いので、UOSはOFFにしておきます。
    Mark, Shift:RTTYの信号は5ビットで構成されています。ビットがONの状態をマーク、OFFをスペースと呼びます。このマークとスペースに別々の周波数を割り当てて、シフトさせながら符号を送信します。マーク周波数は2125Hz、シフト幅は170Hzがデフォルト値で、ダウンシフトを用いています。

    その他
    送信時のマーク信号とスペース信号の反転
    トランシーバーの機種によっては、FSKモードでの送信時にマーク信号とスペース信号が反転(リバース)する機種があります。この様な機種では、トランシーバー側の設定を変える必要があります。
    例えば、KENWOOD TS-870Sはデフォルトでリバースになりますので、トランシーバーのMENU 63でMARK.POLをonに変更しておきます。オールリセットした時は、忘れずに変更しなおす必要があります。

なお、森さんは、このMMTTYの他にも、MMVARI、MMSSTV  などPSKや、SSTVのモードを運用できるソフトを公開してみえますし、アンテナ解析のソフトであるMMANAや、QSLカード印刷用のMMQSLなど、有益なソフトを開発して、無料で提供して下さっています。

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