あなたの周囲に、「俺様は世界一すごいだろ」オーラ全開の痛いナルシスト男はいませんか?
実力がともなっているならまだしも、何の根拠もなく自信だけはたっぷりというナルシスト男が身近にいると、ストレスがたまりまくりですよね。
「周囲に迷惑をかけておきながら自分はいつもご満悦だなんていい気なものね!」と毒づきたくもなります。
ところが、得意顔の裏側で、ナルシスト男こそが強いストレスに晒されており、身体に悪影響が及ぶほどであることが、米国の研究で明らかになりました。
イギリスのニュースサイトDaily Mailでは、以下のように報じられています。
自分を過剰に評価している人は、自信の泡に包まれて人生楽勝モードのように見えるかもしれません。
しかし、実際のところ、彼らは健康に害が出るほど始終心配しながら過ごしていることが研究によって分かりました。ナルシシズム、いわゆる自己愛が男性の間で増加しており、それが高血圧や心臓疾患などストレスに関連する病気につながっていることが明らかになったのです。
調査では106人の男女に性格診断テストを行い各人から唾液のサンプルをふたつ取得。ストレスに関係があるとされる“コルチゾール”というホルモンの量を分析しました。
その結果、性格診断テストで“不健康”レベルの自己愛を持っている男性は、リラックス時でも唾液中のコルチゾール濃度が高かったとのこと。一方、女性にはこうした傾向は見られませんでした。
研究者は、理由は不明であるとしながら、権力や支配権を得るなど、伝統的な男性性を満たそうとするプレッシャーが原因なのではないかと推測しています。
「ナルシストは巨大な自意識をもっていますが、同時に脆い面もあります。なので自分の優位性が失われそうだと感じると、保身のために攻撃的になりがちです」
と、共同研究者であるミシガン大学のデイビッド・ラインハルドは語ります。
「こうした攻撃的な態度をとり続けると、心臓の血管がストレスに反応しやすくなり高血圧の原因となります。社会不適応なまでのナルシシズムによって、ストレスに敏感になり、慢性的にストレスレベルが高くなるというわけです」
研究者はナルシシズムを“膨張した自己重要感、己が唯一無比であるとの過大評価、自己誇大感”と定義しています。
もっとも、ナルシシズムも健康的なレベルであれば利点もありますし、この場合、唾液中のコルチゾールレベルの上昇は男女ともに見られません。
一方、ナルシシズムが過剰になると緊張感を生み、極端な場合は鬱や人格障害に陥ります。
今回の研究では、他人を利用しようとしたり、特権意識を持つなどの不健康な自己意識はストレス反応を司る脳の“HPAアクシス”(視床下部 – 下垂体前葉副腎皮質系)を過剰に活動させることが明らかになりました。
つまり、脳からの信号によって、エネルギー消費や免疫、気分の変化に関わる腺からコルチゾールなどのストレスホルモンが分泌されます。多くの抗鬱剤は、このようなHPAアクシスの働きを抑制するためのものです。
従来の研究では、ナルシストは多幸感があり、自信たっぷりな一方で、しばしば不幸で不安げな行動を見せるといわれています。今回の発見は、こうした研究結果とも合致するといえるでしょう。
なぜ女性にはこうした現象が見られないのかはまだ明らかになっていません。ただ、女性は男性よりも、社会的ステレオタイプに従って、人間関係に価値をおき他人に助けを求めることができるからではないかというのが、研究者の見解です。
研究チームのリーダーであるサラ・コンラース教授は最後に以下のようにコメントしています。
「ナルシスティックな男性は人間関係を悪化させるという精神的なコストのほかに、肉体の健康も損なっているのかもしれません。
今回の研究によれば、病的なまでにナルシスティックな男性の場合、明らかなストレスの原因がなくとも、慢性的にHPAアクシスが活性化していると推測されます」
コンラース教授は、今後の研究で、なぜ女性にはこれがあてはまらないのかを明らかにしていきたいとのことです。
痛いレベルのナルシスト男が、実は健康を害しかねないほど強いストレスを抱えているかもしれないというのは、かなり意外な研究結果ではないでしょうか。
本当は脆い自分を守るために必死の思いで虚勢を張っていると思えば、なんだか少しかわいそうな気がしてきますよね。
なので、今後、身近なナルシスト男にイラッとさせられることがあれば、「彼だっていろいろ大変なんだろうな……」という慈しみの心をもって、どうか接してあげてください。
2012年1月29日(日)23時0分配信 Menjoy!より
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